弥生株式会社は個人事業主向けの確定申告ソフトとして「やよいの青色申告 オンライン」と「やよいの白色申告 オンライン」の2製品を提供しています。名称が似ているため違いが分かりにくい面がありますが、両者は対応する申告方式や料金体系が異なります。本記事では弥生公式の公開情報にもとづき、対応範囲の違いを整理します。
対応する申告方式が異なる
弥生公式サイトの案内によれば、「やよいの青色申告 オンライン」は青色申告決算書の作成に対応したソフト、「やよいの白色申告 オンライン」は収支内訳書の作成に対応したソフトです。
青色申告と白色申告は国税庁が定める記帳・申告の制度上の区分であり、それぞれ以下のような特徴があります。
- 青色申告: 国税庁 タックスアンサー No.2072によれば、複式簿記による記帳やe-Taxでの電子申告など所定の要件を満たすことで、55万円・65万円の青色申告特別控除の対象になり得る制度です。事前に税務署への「青色申告承認申請書」の提出が必要です。
- 白色申告: 国税庁 タックスアンサー No.2080によれば、青色申告の承認を受けていない事業者向けの記帳・申告制度です。青色申告特別控除の対象にはなりませんが、単式簿記での記帳が認められています。
自分がどちらの制度で申告することになるか、青色申告特別控除の適用要件の詳細については、個人事業主の青色申告:承認申請・帳簿要件・特別控除の整理 で整理しています。
料金体系の違い
弥生公式サイトの料金ページによれば、料金体系にも次のような違いがあります。
- やよいの白色申告 オンライン: サポート内容に応じた複数プランが用意されていますが、フリープラン(無償プラン)でも所得税の確定申告・消費税申告・インボイス制度対応・e-Taxによる電子申告など、製品としての機能はすべて利用できるとされています。フリープランは契約更新の手続きは不要ですが、3年間ログインがない場合は利用できなくなる旨が案内されています。
- やよいの青色申告 オンライン: セルフ・ベーシック・トータルの3プランがあり、いずれも有償です。プラン間の違いは主に電話・チャット・メールでのサポート範囲で、確定申告に使える機能自体はどのプランでも共通です。具体的な料金はやよいの青色申告 オンラインの料金プランと機能の範囲(公式情報の整理) で整理しています。
消費税・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応
弥生公式サイトの案内によれば、消費税申告・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応は、青色申告用・白色申告用のどちらの製品でも提供されています。白色申告オンラインについても、無償のフリープランを含めてインボイス制度・電子帳簿保存法に対応した機能が使えるとされています。したがって、これらの制度対応の有無は両製品を選ぶ際の分かれ目にはなりません。
データの引き継ぎ
弥生公式サイトの案内では、「やよいの白色申告 オンライン」で入力したデータを「やよいの青色申告 オンライン」に引き継ぐ機能が用意されています。白色申告からスタートし、青色申告承認申請書の提出後に青色申告へ切り替える場合でも、入力済みのデータを再利用できます。
どちらを使うかの判断は制度上の申告方式で決まる
どちらのソフトを使うかは、ソフトの機能差ではなく、自分がその年にどちらの制度で申告するかによって決まります。青色申告の承認を受けている(または承認申請を予定している)場合は「やよいの青色申告 オンライン」、青色申告の承認を受けていない場合は「やよいの白色申告 オンライン」が対応する製品になります。自分がどちらに該当するか、青色申告への切り替えを検討すべきかどうかについては、税務署または税理士等の専門家にご確認ください。
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まとめ
「やよいの青色申告 オンライン」と「やよいの白色申告 オンライン」は、対応する申告方式(青色申告か白色申告か)が異なる製品で、消費税申告・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応状況に差はありません。白色申告オンラインは無償のフリープランで全機能が使えるのに対し、青色申告オンラインは有償の3プラン構成でサポート範囲が異なります。データは白色から青色へ引き継げるため、事業の状況に応じて申告方式を切り替える際の移行負担は小さく設計されています。
なお、本記事は弥生公式の公開情報を整理したものであり、青色申告・白色申告のどちらを選ぶべきかといった個別の判断については、税務署または税理士等の専門家にご相談ください。