適格請求書発行事業者として登録すると、国税庁が運営する 「適格請求書発行事業者公表サイト」 に情報が掲載されます。取引先は登録番号を入力することで、その事業者が適格請求書を発行できる状態かどうかを確認できます。

個人事業主にとって気になるのは、「どの情報が公表されるのか」「住所は公開されるのか」という点です。本記事では、国税庁の公開情報をもとに、公表事項の内容と住所・屋号の扱いを整理します。

法定の公表事項(自動的に公表される情報)

適格請求書発行事業者として登録されると、公表サイトで自動的に公開される情報は以下のとおりです。

個人事業者の法定公表事項

公表事項内容
氏名戸籍上の氏名(申出により屋号を氏名と併記することも可)
登録番号T+13桁の数字(個人は T+マイナンバーではなく別の番号)
登録年月日登録が有効になった日付
登録取消・失効年月日登録を取り消した場合や失効した場合のみ掲載

法人の法定公表事項(参考)

法人の場合は、上記に加えて 本店又は主たる事務所の所在地 も自動的に公表されます。

個人事業主の「住所」は公表されない

個人事業者については、住所(自宅住所を含む)は法定の公表事項に含まれていません。国税庁の公表サイトおよびQ&Aでも、「住所は公表事項ではありません」と明記されています。

したがって、公表サイトを検索した取引先は、個人事業者の住所を確認することはできません。

申出により追加公表できる情報

個人事業者は、自らの申出により、以下の情報を追加で公表することができます(義務ではありません)。

  • 主たる屋号(ペンネームや商号を含む)
  • 主たる事務所の所在地等

この申出は、登録申請と同時に行うことも、登録後に別途手続きで行うことも可能です。手続きの名称は 「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」 で、国税庁ホームページからダウンロードできます(国税庁「D1-67 適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出手続」)。

屋号と氏名の紐付けについて

屋号(ペンネーム等)で活動している個人事業者の中には、「公表サイトを通じて氏名が特定されるのでは」と心配するケースもあります。

国税庁の公表サイトのFAQでは、「登録事業者自身から屋号を公表するという申出がなければ、屋号(ペンネーム等)と氏名が直接紐付けられることはない」 と案内されています。つまり、申出をしない限り、屋号から本名が特定される仕組みにはなっていません。

公表情報の変更手続き

登録後に氏名・屋号・所在地等が変わった場合、または追加公表の内容を変更したい場合も、同じ 「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」 を使って変更手続きができます。

一方、氏名(戸籍)の変更や登録番号の変更(事業者の転出等)は、別途変更届出書の提出が必要となります。詳細は所轄の税務署または国税庁ホームページでご確認ください。

取引先が公表サイトで確認できる情報

取引先は公表サイトで登録番号を検索することで、以下を確認できます。

  • 登録事業者の氏名(名称)
  • 登録番号の有効性
  • 登録年月日
  • (申出があった場合)屋号・所在地

インボイス制度では、買い手(仕入れ側)が仕入税額控除を受けるために売り手の登録番号を確認・保管する必要があります。登録番号の有効性確認に公表サイトが利用されるため、取引先から「登録番号を教えてほしい」と求められた場合は、請求書への記載(T+13桁)で対応できます。

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まとめ

適格請求書発行事業者として登録した個人事業主が公表サイトに自動掲載される情報は、氏名・登録番号・登録年月日です。住所は法定の公表事項に含まれておらず、自動的には公開されません。屋号や事務所の所在地を公表したい場合は、別途申出手続きが必要です。

なお、本記事は国税庁の公開情報の集約を目的としています。公表事項の変更手続きや登録の取消しについては、所轄の税務署または税理士等の専門家にご相談ください。